以前、メガCDの修理を実施しましたが、その際はピックアップ駆動用のベルト交換と電源周りのコンデンサの交換を行ったのみで動作が改善できた事もあり、それ以上の修理は行っていませんでした。
修理後は元気に稼働していますが、約30年が経過したハードなこともあり、前回実施しなかった残りのコンデンサ交換を行うことにしました。
作業および部品の手配については、下記のWEB記事を参考にさせて頂きました。素晴らしい記事を公開頂きありがとうございました!
■MEGA-CD(初代)修理
実装部品の取り外しと交換はハンダごてだけではなく、ハンダ吸い取り機とハンダ吸い取りリボンおよび、フラックスを用意すると作業がはかどります。
と言うわけで、メガドライブを取り外しメガCDを分解していきます。
裏側と接続コネクタ部のネジを外してカバーを取り去ります。
あとは基板間のフラットケーブルを慎重に抜いて、各基板を取り外していきます。
(1)接続基板
コンデンサが3つ(10μF×2、47μF×1)実装されています。メイン基板と繋がっているコードが切れやすいのであらかじめハンダこてを当てて取り外しておいた方が良いかもしれません。
(2)メイン基板
部品数は基板レビジョンによって違うようですが、ウチでは100μF×2個、10μF×13個が実装されていました。
子基板も外します。基板の下に10μFのコンデンサが1個ありました。
(3)サブ基板
電源回路と音声回路が実装されています。前回交換した100μF×4以外に10μF×14個が実装されており、結構な手間がかかりそうです。
なお、CDドライブ基板は、表面実装のコンデンサは無く、特に腐食も見られなかったので、今回はそのままとしました。CD読み込みが不調になったら補修を考えることにします。
ハンダ吸い取り機とハンダ吸い取りリボンを使って、実装された部品のはんだを除去してから、コンデンサを取り外して行きます。
サブ基板は、全て通常タイプの電解コンデンサだったため、基板裏面からハンダ吸い取り機でハンダ除去のみで取り外しできましたが、接続基板とメイン基板に載っている表面実装タイプのアルミ電解コンデンサが取り外しに苦労しました。
特にメイン基板のコンデンサは結構な数が劣化して基板を腐食している場合があり、パターン剥がれ等が発生しやすいのでご注意を。
かくいう私も一部パターンをはがしてしまい(下記赤丸部)、近くのパターンから配線するなどの補修を行うハメになりました。幸いGND側だったので隣から取れましたが、+側だったら危ういところでした。(とほほ・・)
実装されたコンデンサを全て取り外したら、無水アルコールと綿棒で基板/パターンを奇麗にクリーニングして新しい部品に交換します。
今回取り外したコンデンサの一部です。30年も稼働していただき、お疲れ様でした。
■コンデンサー交換実施後
(1)接続基板
コンデンサ3個を置き換えています。47μFのやつが液漏れしていました。
(2)メイン基板
見た目は奇麗だったのですが、実際にコテをあてて外してみると、結構な数のコンデンサが液漏れしていました。そのため、パターンが腐食しており強度が怪しい箇所についてはコンデンサを横倒しに固定しつつハンダ付けしています。子基板の下にあったやつも同様に横にしています。
なお、コンデンサの色が違っているのは、前回購入した部品が途中で尽きたためで他意はありません。。全て105℃品に交換しています。
(3)サブ基板
こちらも前回交換した100μF含め、全て105℃品のコンデンサに交換しました。電源周りおよび、音声端子周りは念入りに清掃しました。
コンデンサ交換後、再組み立てをおこないます。
サブ基板を元に戻して
各基板を接続します。
あとはケースを元通りネジ止めして完了です。
コンデンサ交換後、複数のゲームを起動してみましたが、前回の修理で動作確認できていたこともあり、特に不具合は発生しませんでした。
気が付いた変化としては、CD-Rメディアの認識や起動が改善しました。以前作成したSega CD Transfer改のメディアがたまに認識しない場合があったのですが、コンデンサ交換後は解消しています。
解消した要因は分かりませんが、結果的に悪影響はなく改善できており、思い切ってコンデンサー交換を実施してよかったと安堵しています。
ROMカセットのバックアップ検討を行った際に気になっていたのですが、SUPER 32X用の動作検証が行えていませんでした。
理由は深刻なものではなく、単に32X対応のビデオケーブルが荷物に埋もれて見つからなくなっていただけなのですが、今回時間があったのでビデオケーブルを掘り出して動作確認を行ってみました。
メガドラタワーにビデオケーブルを接続後、電源ONしてみたところ、例によって起動しません・・。NO SIGNALです。。涙
ゲームが起動している様子もなくハングアップしている感じです。
Sega CD Transferによるバックアップ検討時に32X経由で吸い出せていた事もあり、恐らく故障ではなくコネクタ端子の接触不良と考え、無水アルコールと綿棒で32Xの端子部をクリーニングしてみました。
カセット側の端子も念入りにクリーニング。
その後、再度動作検証してみましたが、同じくNO SIGNAL。。
まさか壊れてしまった?と涙目になりかけたのですが、冷静にメガドライブ本体のヘッドホン出力を外部スピーカーに繋いでみたところ、前回とは違って音は正常に出ていることが判りました。(ビデオ出力の問題?)
原因切り分けのため、以前自作したRGBケーブル(下記)を32Xに繋いで電源ON。
すると無事画面が出ました! RGB出力は正常に動作しているようです。
こうなるとビデオ出力がNGなのが謎ですが、その後、32Xを装着したままROMカセットを抜いて電源ONしたところ、メガCDの起動画面がビデオ出力で正常に表示されることに気が付きました。(=配線不良ではなさそう)
もしやと思い、メガドラタワーを別室のREGZAにつなげたところ、32Xでも正常にビデオ出力ができました。良かった!
今回のメンテナンス作業により、手持ちのメガドライブ機器は全て動作した事になり、ほっとしています。
正直、メガCDに関してはコンデンサー劣化による腐食でパターン剥がれ等も発生しており、一歩間違えたら故障してしまっていた状況でしたし、
スーパー32Xも端子クリーニングのみで動作したのは幸運だったなあと思います。
今後、実機環境を維持するのはだんだん厳しくなっていくのかもしれません。
とは言いつつも、ユーザーによる修理情報が多数WEBで公開されており、メンテナンスマニュアルが出版されるなど、
私のような素人に毛が生えた程度の人間でも修理できる環境が整ってきています。また、SEGA純正以外の環境でいえば、2021年現在でも複数のメガドライブ互換ハードが売っており、メガドライブ用の新作ソフトも登場して盛り上がっている状況です。
あまり心配せずとも、まだまだ現役で楽しめるゲームコンソールとして生き残っていくことになるのでしょう。
ファンとして楽しみつつ、そんな状況に付き添って行けたら良いなと思います。