プレイステーションClassic対応もひと段落して、楽しくゲームを消費していたのですが、
手持ちのプレステゲームと一緒にメガCDのゲームが多数発掘され、
パッケージを見ているうちに遊びたくなってしまいました。
#どんどん出てくるメガCD対応ゲーム
早速、メガドラタワー実機を掘り出して動作確認してみたのですが、なんと全く動きませんでした・・(涙)
20年放置した報いとはいえショックです。
○症状
電源は辛うじて入りましたが、CDトレイが勝手に排出されてしまいCDを読み込めずゲームを起動できません。
システム画面のBGMも途切れ途切れで、ノイズだらけ。聞くに堪えない状況です。
ROMカセットはかろうじて動作しましたが、XMD-2のS端子出力がきわめて不安定で(端子周りの接触不良っぽい)ゲームにならない・・。
これは終わってしまったか・・?
さすがに販売終了して20年以上経過した機器の修理は無理だろうと思われたのですが、
気を取り直してWEBで情報収集したところ、
同じような症状で動作NGになったメガCDを自分で修理した人が大勢いることに気が付きました。
しかも修理記録をblog記事に上げてくださっている!(神よ!)
○復活のメガドライブ+メガCD
○我が家にメガCDがやって来た ~修理編~
○MEGA-CD(初代) 修理
心強いことに他にもまだ多数の方が自分で修理をされているようです。
故障の症状としてトレイが勝手に排出され、読み込めない件についてはCDドライブのゴムベルトを交換すれば良さそう。
また、サウンドが鳴らない/ノイズが混じる場合はサブ基板の電解コンデンサの交換で改善できる場合が多いようです。
まさにうちの実機の症状に該当します。
自分で修理する事に少々抵抗があったのですが、既に故障している状態で、失敗してもダメ元と言うことで諦めが付き、
千石電商オンラインショップで修理部品を手配しました。
番号 | 部品名 | 数量 |
---|---|---|
1 | ゴムベルト(角) φ25×1.6T | 2個 |
2 | ニチコン アルミ電解コンデンサ 16V100μF(105℃品) | 10個 |
3 | ニチコン アルミ電解コンデンサ 16V10μF(105℃品) | 20個 |
まず、メガドライブとメガCDを分離して、各箇所を固定しているネジを外して行きます。
早速、ゲームCDを読み込んでみると・・。
「CD-ROM」表示が出てゲームCDをきちんと認識しています!
今回は運良く修理する事ができましたが、今後の経年劣化を考えるといつまで実機で遊べるのか不安な状況と言えそうです。
プレイステーションに関してはCLASSICを入手したことで運よくバックアップ動作が
可能な環境を構築できましたが、メガドライブとPCエンジン(+CD-ROM2)環境は
いつ故障してしまってもおかしくない状況です。
BIOSやカセットデータのバックアップの検討が必要だなぁと痛感しました。
元々放置していたのに、何をいまさらと言った感じですが・・
と言うことで続きます。
○その2メガCDバックアップ検討
○その3メガCDバックアップ用ダンパーの制作
時間が少しできたので、XMD-2を修理しました。
初代メガドライブ用でS端子出力以外にアナログRGB出力にも対応する優れもの。
画像の変換アダプタと15KHz対応のモニタ(注意:持ってません)があれば、VGA表示もできるようです(注意:試していません)。
故障の症状としてS端子表示が不安定(出たり出なかったり)なので、接触不良が原因と思われます。
さっそく分解してS端子周りを見てみると、クラックができて断線しています。
少々判りづらいですが、5か所のハンダのうち、3か所にクラックがあり、残りも怪しい状態です。(コネクタがぐらついています)
ひとまずS端子コネクタ部のすべてにジャンパ線を接続・補強しました。
その上でS端子コネクタをホットボンドでがっちり固定しました。
REGZAで表示を確認したところ、無事S端子から映像が出力できるようになりました。
S端子表示できる環境もめっきり減りましたが、こちらも直せてよかったです。
■2020/11/23追記
XMD-2のS端子とRGB出力を検証してみました。
○その5XMD-2のS端子出力とRGB出力について
また少し時間ができたので、バックアップRAMカートリッジを修理しました。
見た目はきれいなのですが、メガCDに差しても初期化どころか全く認識しない状態になってました。
正直、メガCD本体の内蔵バックアップメモリ(8KB)だけだと、ロールプレイングゲームやシミュレーションゲームを複数やるのは厳しいため、是非修理しておきたいところです。
まず、裏面のシールをはがして、専用の工具(スーパーファミコン分解用のドライバー)で固定用のネジを外します。
カバーが外れ、基板が出てきます。
この画像は洗浄後の基板で、当初は経年劣化した油が固着したのか端子が真っ黒に汚れており、無水アルコール(+ベンジン)で奇麗にしています。
裏面のハンダ(3か所)を吸い取り器で除去すると電池が外せます。よくみると液漏れを起こしており、基板を腐食してしまう寸前でした・・
交換用に購入した電池はCR2450です。
元の電池から外した金具をアルミテープ(導電性があるため利用)で新しい電池に固定します。
テスターで金具と電池の導通(短絡無く、きちんと3V出ているか)を確認後、元通りにはんだ付けして完了です。
メガCDに装着して、「option」メニューから初期化を実施したところ、無事メモリが利用できるようになりました。(空き容量2045ブロックと表示)
こうして修理は完了したのですが、少々気になる点が・・。
基板にある空きランドです。どう見ても1MビットSRAMが1個増設できそうです。
かなり前にCASIO VX-4の128KB増設用に買った1MビットSRAMが手元で余っている状況。これは試してみるしか。
まず、空きランドおよび、他のICの結線状態をテスターを使って調べてみました。
結果は予想通りで、この空きランドはSRAM増設用で、かつ#1/#2側のPin22(チップセレクト信号)はメガドライブ側のアドレスバス(A18、A19)とHC139を介して繋がっており、H/W的にもメモリ増設が可能と判りました。(以下は調査した概略図)
早速、空きランドに1MビットSRAMをハンダ付けして空き容量が増えるか試してみました。
コンデンサは0.1μFを使っています。(ハンダ付けヘタでスミマセン)
しかし結果はNG・・。(カード初期化後、容量2045ブロック空き状態は変わらず)
どうやらH/W的にはメモリ増設が可能なのですが、残念な事にメガCDのBIOSが#2側のSRAMを使っていない(認識できていない)ようです。
取り合えず、スライドスイッチでSRAM#1、#2を切り替える仕組みを入れて、1Mbit×2増設をしました。(下記画像クリックで改造記事を表示)
バックアップRAM 1M×2切り替え改造記事(2020/8/15)
2020/8/22追記
その後、バッファIC(HC244)の出力値を変更することで2M Bit増設可能との情報を教えていただきました。
色々調べたところ、このID値とバックアップRAM容量の関係は以下のようになることが判りました。
ID(HC244出力)値 | RAM容量(Bit数) | サイズ(KByte) |
---|---|---|
0 | 64 Kbit | 8 KByte |
1 | 128 Kbit | 16 KByte |
2 | 256 Kbit | 32 KByte |
3 | 512 Kbit | 64 KByte |
4 | 1024 Kbit | 128 KByte |
5 | 2048 Kbit | 256 KByte |
6 | 4096 Kbit | 512 KByte |
7 | なし | なし |
メガCDを修理した際に気になっていた内蔵バックアップRAM保持用バッテリー(コイン型充電池)を交換しました。
ここ2週間ほどゲームをプレイした際、内蔵RAMに保存したデータが電源OFF時に正しく保持されていることは確認できていましたが、
やはり20年以上も放置しており、部品が入手できる今のうちに交換してしまうことにしました。
メガCDを分解するとすぐ見えるメインボード(画像の右上)にあるのが充電池です。
海外で公開(流出?)されているメガCDのメンテナンスマニュアルの部品一覧(94ページ)にバッテリー名がML2016-HS1とあり、
調べたところ、マンガンリチウム系コイン形二次電池で、残念なことに既に生産終了しているっぽく、同製品を見つけられませんでした。
パナソニックのホームページで調べたところ、同じサイズで容量が違うマンガンリチウム系二次電池(ML2020)
が利用できそうだと判り、交換用に購入しました。
○購入部品
コイン型 充電池 ML2020
○交換手順
まずメインボードの裏面のハンダ(3か所)を除去して、コイン電池を取り外します。
固定金具の形状が違っていたので、元々付いていた電池から金具を移植してアルミテープで固定しました(下記画像)
元通りハンダ付けして交換終了です。
内蔵バックアップRAMにいくつかゲームデータを保存して、メガCDの電源をOFF→しばらく放置→電源ONしてデータが正しく保持されていることを確認します。
電源OFF状態で2時間ほど放置しましたが、問題ないようです。
これでまた10~20年くらいは大丈夫だといいなぁ・・。