PB-1000の動作保全について(2020/12/31~2021/1/11)


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1.久しぶりにPB-1000/Cを出してみました・・が

2020年は、メガドライブミニ対応のゲームパッドや実機の修理をずっとやっていたのですが、 CASIO PB-1000 Forever!のJun AmanoさんからPB-1000対応の新作ソフトが出たとの連絡があり、久しぶりに引っ張り出してみました。

PB-1000Cを1台、PB-1000は2台所持しているのですが、そのうち1台が変わり果てた姿で発掘されました。・・あれ?(汗)


当時のメールやHDDに残っていた資料を確認したところ、2009年~2011年頃にかけてジャンク品のPB-1000を復活させようとフル改造していたモノでダメになったフラットキーを再生しようとした途中で力尽きたことを思い出しました。

実は元々持っていたPB-1000(学生時代に購入したもの)は蝶番がダメージを受けており、電源は入りますがメニューキーが接触不良で効いたり効かなかったりと不安定となっており、いつか修理するつもりで、その調査と訓練?のため、ジャンク品の再生をしていたわけですが、 約9年も放置してました。

・・ダメな人間ですみません。

とは言え、このフル改造品。フラットキーの見た目や操作性は別として、全機能は動作するので検証には使えるはず。と言うことでFA-7経由でPCに繋ごうとして、自宅のPCにRS232Cのシリアル(COM)ポートが無いことに気が付きました。


2.昨今のRS232C通信状況

CASIO PB-1000 Forever!PB-1000/C技術資料を見ると、 約10年前の時点で既にUSB-シリアル系の改造記事が何件も投稿されており(しかも自分で書いた記事もあるし・・)、パソコンのCOMポートが無くなりつつあったことが伺えますが、 2021年現在、発売されるPCにはレガシーでRS232C通信向けのCOMポートはほぼ実装されておらず、何らかの手段で増設してやる必要があります。

①マザーボード上のCOMポートを利用する
自宅のPCは2年ほど前に自作したもので、OS:Windows10Pro(64Bit版)、CPU:Ryzen5 2400G、マザーボード:MSI B450-GAMING-PLUSと言う構成です。

マザーのマニュアルを見ると、マザーボード上にCOMポートが実装されていることが判りました。


利用方法を調べたところ、どうやらaitendoのブラケットケーブル★DB9★が使えそうな感じです。 早速購入して自宅PCに装着してみました。


○aitendo
 ブラケットケーブル★DB9★(195円とか安いですね!)

FA-7と繋ぐ際に利用したクロスケーブルは、昔から使っている古いケーブルですが、

9pin-25pin クロス配線のものなら問題なく使えます。2021年現在でもそれほど高くない値段で購入できるようです。

○SANWA SUPPLY製クロスケーブル(Amazon)
KRS-423XF-07KRS 232Cケーブル 9pin-25pin クロス

FA-7の側面のRS232CスイッチをONにして、

自作の3行プログラムをTeraTermで受信できるか確認してみたところ、
PB-1000→PC送信はOK。(同じプログラムが転送できてます)


PC→PB-1000送信は・・。あれ?POエラー?


長年使っていた古いクロスケーブルですが、そうそう壊れるものでもないし、今回購入したブラケットケーブルも含め、テスターで接続を確認した限りは大丈夫そう・・。 その後、ブラケットケーブルを抜き差ししたり、通信速度を変えたり、MD-100Aで試したりと、色々しましたが、PC→PB-1000送信はNG・・。うーん。判らない。

あまり時間かけても仕方ないので増設COMポートは諦めて、USB-シリアル変換ケーブルを購入して試して見ることにしました。


②USB-シリアル変換ケーブルを利用する
購入したのは、以下の2製品。

○UGREEN製
 USB to RS232 DB9 Serial Adapter Cable

○CableCreation製
 USB2.0 TO RS232 DB9 Serial Cable

どちらも同じProlific製PL2303 Chipsetを利用した製品で大体1,000円前後で売ってます。


PCにつなぐと、COM6で認識。クロスケーブルでFA-7と繋いで、PC側のアプリで通信設定を行うと、無事転送できました。


UGREEN製、CableCreation製共に問題ないようです。良かった・・。


通信ソフトの設定と操作です。(自分用の備忘録なので読み飛ばしてください・・)

○TeraTerm
 Tera Term 64bit版を利用。
「Setup」⇒「Terminal..」画面で、文字コードをSJISに設定。


「Setup」⇒「Serial port..」
 PortはUSB-シリアルケーブルを接続すると新たに追加されるポート(COMx)を指定します。 通信速度は4800BPS。パリティは偶数(even)、Flow ControlはXon/Xoff。

「New setting」を押下して設定を完了。

■PC送信→PB-1000受信
PB-1000側を受信状態にしてから、PC側から送信するファイルをTera Termのウィンドウにドラッグ&ドロップすると送信確認画面(下記)が表示されるのでバイナリ設定にチェックして、OKを押下で送信開始します。


[問題点]
BUSY(Xon/XOff)制御を誤ることがあるようで、長いBASICプログラムを送信すると、途中で止まってしまう場合がありました。(死霊騎士ヴァイオ送信中に止まってしまった!)


BUSY制御に不安ありと言ったところでしょうか。


■PB-1000送信→PC受信
「File」→「Log...」メニューを選択。

「Log」画面でOptionの「Binary」にチェックを入れ、「Append」のチェックを外し、任意のファイル名を指定して「保存」を押下します。

PB-1000からのファイル送信が完了したら、「File」→「Stop Logging」を選択。

上で指定したLogファイル名で保存されています。Log指定画面でバイナリのチェックを忘れなければ、特に問題なくファイル受信が可能でした。


○PB-1000 Data Communicator32(PBDC32)
ver.1.32以前のバージョンを使っている場合は、アンインストール後、最新版をCASIO PB-1000 Forever!ソフトウェアライブラリからダウンロードしてインストールします。 (この記事の時点で最新版はver.1.32です)

起動後の操作は、スミマセン・・省略します(おい)
実際、説明不要なほどシンプルなんです。


■PC送信→PB-1000受信
長いBASICプログラム(死霊騎士ヴァイオ等)でもBUSY(Xon/Xoff)制御は完璧に動作しました。さすがは専用ソフトです。

■PB-1000送信→PC受信
最初ver.1.31で試していたのですが、自作プログラムをPCに送信時に、特殊コード(&HE0~&HFF)が文字化けする事に気が付いて、Jun Amanoさんに報告したところ、すぐ修正版をリリースしていただきました。(ありがとうございます!)
修正版1.32だと、文字化けも発生しなくなって、受信も完ぺきです。

【結論】

Windows10環境でPB-1000と通信するなら、PBDC32です!(宣伝)



3.PB-1000修理の続き・・(おさらい編)

USB-シリアル変換ケーブルを注文して届くまで時間があったので、9年放置していたPB-1000のフラットキーの再生?(調査?)を実施しました。

このジャンク品のPB-1000は、HD61開発時にとある方より頂いたもので、電源ONするものの不安定(画面消えたり)、MENUキーやLCKEY、方向キーなどが効かなかったり等、 明らかにLCD-CPU基板間の32Pin接続ケーブルがダメージを受けており、色々修繕や改造を行っていました。

経緯をおさらいすると・・

○修理内容
(1)電源が入らなかったり、タッチキーの不調は、板間32Pコネクタをジャンパ線をハンダ付けして修理


総本山的な情報サイトAndreas Wichmann氏のPB-1000ページにある、 Casio Connectにある情報を元に、 LCD-CPU基板間の32Pinコネクタ端子にパッチを当てて凌いでいたのですが、一時的に良くなるものの、だんだん悪化していってしまい、 仕方なく根本対策として、ケーブル直付けにしたものです。

基板間のフラットケーブルの修理については、上記のようなケーブル張り直しを検討する前に、まずは熱圧着の再実施をした方が良いと思います。 最近では専用の工具?も売っており、以前ほど実施は難しくないかと思います。(それでダメならケーブル張り直しを検討する)

○熱圧着修理用工具
半田ごて交換ヒーター 40W用 390円
ヒーター用ゴム(5個入)   199円

(2)フラットキーは、基板との圧着部が弱かったのですが、何度も分解しているうちに剥がれてしまったため、仕方なくコードを引っ張り出しました。

これも(1)と同じで、熱圧着やコンダクティブペンの利用などを検討してからが良さそうです。

(3)フラットキーは、適当な代替スイッチがなかったので、DIP SWで代用しています。

あくまで緊急措置として実施したつもりだったのですが、そのまま9年も放置してしまっておりました・・(反省)

(4)上記の改造で機能的に復帰したので、RAMを128KBに増設しています。

回路図(と言うか配線図)は下記です。


なお、このメモリ増設改造は間違ってHM628128とPin互換性のないSRAMを購入してしまった経緯で実施したもので、部品点数も多く、実施はお勧めできません。

128KB増設の場合、Miyuraさんが山爺さんと意見交換しつつ実施・公開されているメモリ増設記事の方が部品点数も少なく、改造も簡易に済みますので、新規で行う場合はこちらを推奨します。

と・・ここまでが2011年暮れに実施した内容です。(おさらい終了)


4.PB-1000修理の続き・・(2020年末編)

年末年始の休みを利用してフラットキーの再生を行いました。なんと9年越しの工作となります。我ながらこの放置っぷりには呆れてしまいます・・

フラットキーの配線図は下記の通りです。実測したキーピッチは11mm間隔なので薄型かつ小型のタクトSWが必要になります。


部品は以前、aitendoで購入した小型(5.1mm×5.1mm)のタクトスイッチを利用しましたが、どうやら既に売っていない様です。 私以外に実施する人がいるとは思えませんが、こういうものを利用すると良いかもしれません。

○利用部品(案)
★3.1x3.1★みにタクトスイッチ
ユニバーサル基板(163x63)

(1)まず、小型(5.1mm×5.1mm)のタクトスイッチ13個を切りだしたユニバーサル基板に並べて配線しました。何とか本体の溝(143×12mm)に収まったようです。


(2)次に PB-1000から引き出したコードに接続しました。

以前引き出したコードが太く、かなり不格好になってしまいました。(不器用ですみません・・)

(3)タクトスイッチのボタン部分のみを露出させるため、1mmのプラ角材(タミヤ製)をフレーム代わりに接着。


(4)元のフラットキーと貼り合わせて裏面をテープで固定します。
めっちゃ不格好ですみません・・

(5)仕上げ(誤魔化し?)にダイソーのインテリアシート(レザー調/黒)を貼って、PB-1000に固定して完成です。

違和感バリバリですが、動作はキチンとできるようになりました。

○9年ぶりの修理を終えて・・

フラットキーが少し出っ張っている状況ではありますが、9年越しで再生したフラットキーの操作性も良好で、フルRAM実装かつ全機能が動作するようになり、個人的に満足しています。(いちおう折りたためます!)

なんとか2020年内に修理できた事で、2021年の正月休みはPB-1000でゲームをやったりと楽しめそうです!



・・と考えていた時期が僕にもありました・・(おぃ


5.FA-7故障・・ → 修理完了!(2021/01/04~2021/01/10)

フラットキーの再生を行った後、ミサイルファントムやったり、HYPER JUMPやったり、PAYOPAYO Plusをやったりと楽しんでいたら、突然FA-7が故障しました。

状況としては、ACアダプタ接続でPB-1000の電源を入れたところ、「パン!」と音がして焦げたような匂いがFA-7から漂ってきて、 その後、FA-7が完全に沈黙(電源が入らない)・・という絶望的な状況。。。(涙)
さすがにビックリしました。

すぐにPB-1000を取り外して動作確認したところ、幸いダメージは無し。

死霊騎士ヴァイオも普通に動作。

FA-7の裏ブタを外して基板(匂い?)を確認したところ、「2SK612」とシルクにある部品が焼損(焦げた匂いが)していました。


この部品名"2SK612"で調べてみたところ、パワーMOSFETと呼ばれる素子で、定電圧のスイッチングを行う部品の様でした。恐らく電源が入らなくなった直接の原因はこの素子の焼損と見て間違いなさそうでしたので、若松通商で部品(2SK612)を購入。

○若松通商
FET 2SK612 (税込 107円)

週末、部品が届いたので交換してみる事にしました。

基板を裏返して該当部品のハンダ(赤丸箇所)を除去して、元々付いていた2SK612を取り外します。


左が取り外した部品です。焼損によりパッケージが割れていました。


取り外した箇所に新品を実装します。


PB-1000と接続して、電源を入れると・・
LEDが点灯。無事、電源ONになりました!!

その後、RS232C通信も動作することを確認。助かったーー!

○修理完了しましたが・・
30年以上も問題なく使ってきたのに急に故障となり、驚くと同時に少々心配になりました。

と言うのも、利用していたACアダプタは純正品(Casio AD-4175)ではなく、 FA-7の裏ブタにある定格電力(9V 1.4W)と似た出力(9V 800mA)のものでしたので・・。

今さらになりますが、純正品(Casio AD-4175)の定格を調べてみたところ、なんと7V 800mA出力と言うことが判明・・。つまりメーカーの想定より高めの電圧で運用していた事になります。

○MSX wiki(ACアダプタの画像あり)
 Casio AD-4175

ただ、2SK612のデータシートを見る限り、ゲート・ソース間電圧が+-20Vと記載されており、9V程度で焼損することはなさそうです。(恐らく~15V程度は安全範囲と思われる) 実際、購入(1988年)から30年以上問題なかったですし。。

原因は経年劣化だったのではないかと想定されますが、定格外の使い方をしていたことも事実なため、他の部品の劣化も考慮すると、今後はあまり無理はさせない方が良いと判断。 かつ、今から純正品(Casio AD-4175)を中古で入手しても、定格通りの電力値が出力できる保証もないため、7.5VのACアダプタを新たに購入することにしました。

○購入したもの
 SUCCUL ACアダプター 7.5V 1A出力 PSE取得品
 TRUETONE エフェクター用変換プラグ 極性反転
 →7.5V出力でセンターマイナス極性の製品が見つけられ無かったので、
  極性反転用の変換プラグも購入。
 
実物は思ったよりコンパクトでした。


テスターで出力電圧を確認したところ、7.5Vきっちり出ています。

FA-7およびMD-100Aに(極性反転して)繋いでみましたが、無事動作しました。

これで今後も元気に動いてくれると良いなあ・・。


6.あとがき(2021/01/11)

元々ちょっとしたアプリの動作確認のつもりで気楽に始めたのですが、気が付けば大騒ぎ?でした。 何というか、昔の機器は使わず放置すると色々ダメになってしまっている事が多いですね。

今時、PB-1000の基板間にジャンパ飛ばしてみたり、フラットキーを再生したり、FA-7が燃えたりする人は、ほぼいない?と思いますが、 この記事が役に立つこと(もあるかも・・?)を切に願っています。

@あお

その後、MD-100Aも元気に動いています!
(30年も使って、1DD 1枚しか消費してないのもどうなんでしょう・・?)



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